春の小浜線

2014年4月発行

提供:小浜線鉄道遺産を守る会  画:渡辺淳

 電車なのにガタンゴトンと昔ながらの音をたてて走る小浜線。

沿線の風景は世につれて少しずつ変わってきたが、

幹線道路を車で走るのとは異なり、

まだまだ季節の風景が楽しめる。

 春はまず梅の花。ああ咲いたと、

心が明るんで、

通り過ぎる時、

振り向きながら愛でる花。

 しばらく経つと、梅はもう散り、

今度はほんのりピンクの花、

杏だろう。

  小鳥がいっせいにはばたくように辛夷が咲いて・・・・・・。


 子供たちの遠足の列が通る頃には、

まっ白な梨の花に会えるだろう。
   
   梅 杏 辛夷 木蓮 桜 梨 小浜線沿い木の花が過ぐ

( 歌集 『海虹』より)

りとむ短歌会所属 北野よしえ