甘露の雨

今年の干支は辰なので、龍のおはなしを。

「海千山千」の語源で、海に千年、山に千年棲みついた蛇は、

龍になるという言い伝えがあります。

水辺に住む蛇が龍にというわけで、龍は水の神様とされました。

お釈迦さまが生まれた時、龍は甘い味(甘露)の雨を降らせました。

お釈迦さまの教えが、乾いた草木を潤す雨のように、

多くの人々が苦しみから救われるようにと。

だからお釈迦さまの誕生日(四月八日)には、

お釈迦さまの像に柄杓で甘茶をかけます。

お寺の天井に龍の絵や飾りが多いのは、

水神の龍に火事を防いでもらい、甘露の雨を降らせるためです。

            おおい町海岸寺住職 石崎 靖宗