円成という言葉

まあるい円を描く時に、始まりと終わりがあるように、

新年というのは正に、一年の書き始めといっても差し支えないでしょう。

そんな、円にちなんだ仏教の言葉に「円成」というものがあります。

法要・行事が無事に成就することに対して使われる言葉で、

携わる者全員でまあるい円を作るように、

手を取り合い支え合って事に臨む。

そういった調和の意味合いも込められています。

私たちは、常日頃から支え、支えられて生きています。

しかし、それが当たり前になりすぎて、

その有り難さに気が付けない、

といったことも多々あります。

自他に関係なく、何気ない気遣いや思いやりに気が付いて行くことが、

普段の生活をより豊かにしてくれるきっかけになる。

そんなことを思い出させてくれる言葉です。

今年一年が終わった時に、どのような円が出来上がるのか、

楽しみですね。

                     地久山円照寺 村上泰之