玄白饅頭 杉田玄白物語

              形影夜話(小浜市酒井家文庫 肖像画)

杉田玄白と聞いて『解体新書』を出版したお医者さんと思い浮かべる人は多いと思います。

 代々小浜藩の医者を務める家に生まれた玄白は、

八歳~十五歳の少年期に小浜で育ちました。

小浜藩の医者として多くの患者の診療する中で、

もっと私たちの体の仕組みを知る必要があると考えた玄白は、

同僚の中川淳庵らと一緒にオランダ語の解剖書『ターヘル・アナトミア』を翻訳して

『解体新書』を出版しました。

玄白はオランダ語の辞書が無い中で医学書を翻訳することを、

舵の無い船で海に乗り出すことに例えて苦労を記しています。

 出版された『解体新書』は、日本における医学の発展だけでなく、

西洋の科学・文化を学び、日本人が世界に目を向けるきっかけを作りました。

                         小浜市文化観光課 学芸員 川股 寛享