第62回(令和2年1月)入選作品

おかえりとそんな言葉に癒されて自然と笑顔で返すただいま        

若狭高校  水田 遥大

【寸 評】

 まず初句「おかえり」そして結句の「ただいま」がぐっと読者を引き付ける。戸を開けて「ただ今」と言う前に家の中から「おかえり」と明るい声が聞こえてきて「ただ今」を返す言葉も弾みますね。「おかえり」と言ってくれたのは、お母様でしょうか。おばあさまかも知れませんね。また年の離れた弟さんか妹さんかも・・・と読者は楽しく思いをめぐらせ温かい家庭の雰囲気に心あたたまる思いがします。無駄なところもなく、素晴らしい「おかえり」「ただいま」この言葉の具体性、これこそ歌の力ですね。ぐっと読者を引き付ける。戸を開けて「ただ今」と言う前に家の中から「おかえり」と明るい声が聞こえてきて「ただ今」を返す言葉も弾みますね。「おかえり」と言ってくれたのは、お母様でしょうか。おばあさまかも知れませんね。また年の離れた弟さんか妹さんかも・・・と読者は楽しく思いをめぐらせ温かい家庭の雰囲気に心あたたまる思いがします。無駄なところもなく、素晴らしい「おかえり」「ただいま」この言葉の具体性、これこそ歌の力ですね。


冗談とごまかす言葉の裏側に隠しきれない好きの一言          

若狭高校  細川 

【寸 評】

このお歌なんとほほえましい!高校生の淡い恋心に思わず頬がゆるみました。好きと言ってしまった後、急にきまりがわるくなって冗談ゝと打消そうとしたのですね。でも周りの友達や読者は、作者の本当の気持ち「好き」を察しているのです。その作者の気持ちを拍手で思いやり、応援してくれるのです。高校生らしく明るい一首となりました。


あの人と同じ目線でいたいからヒールの靴はちょっとお休み        

若狭高校  島津 美晴

【寸 評】

出かけようとした作者は先ずお気に入りの靴にちょっとお休みしてネ・・・と声をかけました。今日はあの人に会えるかも知れないなあ。そうだ!今日はこのヒールの靴はやめてこちらの靴にしようと、別の靴にはきかえました。あの人はきっと作者と同じ位の身長なのだと思います。同じ視線で話し合いたいと望んでいる作者のなんと〝いとしい〟。女子高生らしく優しくそして丁寧に表現されていてとてもよい作品です。


見るたびに私の心動かすのそんなあなたはテレビの向こう       

若狭高校  池田 杏莉

【寸 評】

まず初句の「見るたびに」何?何が心を動かすのかしら?読んで結句「テレビの向こう」でテレビに出ている「あの人」と分かりました。テレビによく出てくるスポーツの選手のお一人かも知れませんね。作者にとってはその素敵な人の姿が見えると心がうきうきするのでしょう。でも彼はテレビの向こう・・・私の手の届かないところ・・・。作者はいつもテレビで彼を探して、追いかけてうきうきとしているのです。若々しい表現がいいと思います。でも私はテレビの中の素敵なあなたは誰なのか知りたいなぁ。