旧町名は語る(四)

2017年8月発行


 小浜の町割りは、京極髙次により城下建設が始まり、

慶長十二年に町数四十一、家数千二百三十七軒。

これらが東西二組に区分され、家数は一町に三〇軒ずつと計画された。

旧西組の外縁部(柳町、青井町など)はこの時点でまだ町立てされていない。

二十八年後の寛永八(一六三一)年、町改めがあり町数四十六、

家数千六百十九軒。貞享元(千六八四)年町割りで改めて五十二町、

東・中・西の三組となり、以後町名を改称した町はあるが

五十二町は明治七(一八七四)年まで続く。


 明治二十二年町制が敷かれると二十四町に改変、

「町」は「区」の呼称となり、全国でも例のない神社名がつけられた。

その理由は現在不明で縁故関係もないという。

酒井区だけが神社名でなく時の藩主名となっている。

五十二町時代の町名の読み方を列記しておく。

【東  組】
大津町 おおつまち
本町 ほんまち
瀬木町 せぎのちょう
新町 しんまち
安良町 あらちょう
魚屋町 うおやちょう
塩屋町 しおやちょう
裏町 うらちょう
洲崎町 すざきちょう
川崎町 かわさきちょう
松本町 まつもとちょう
川縁町 かわべりちょう
八百屋町 やおやちょう
下市場 しもいちば
安居町 やすいちょう
上市場 かみいちば
突抜町 つきぬけちょう
和泉町 いずみちょう

【中  組】
片原町 かたはらまち
材木町 ざいもくちょう
今在家町 いまざいけちょう
東宮前町 ひがしみやまえちょう
欠脇町 かけのわきちょう
広小路 ひろこうじ
中小路 なかこうじ
永三小路 えいさんこうじ
鵜羽小路 うわこうじ
質屋町 しちやちょう
松寺小路 まつでらこうじ
塩浜小路 しおはまこうじ
大蔵小路 おぐらこうじ
石屋小路 いしやこうじ
達磨小路 だるまこうじ
薬師小路 やくしこうじ
今町 いまちょう

【西  組】
八幡小路 はちまんこうじ
西宮前町 にしみやまえちょう
中西町 なかにしちょう
福岡町 ふくおかちょう
富田町 とみたちょう
石垣町 いしがきちょう
滝町 たきちょう
清水町 しみずちょう
柳町 やなぎまち
青井町 あおいちょう
猟師町 りょうしまち
常在小路 じょうざいこうじ
浜浦町 はまうらまち
文殊丸町 もんじゅまるちょう
二つ鳥居町 ふたつとりいちょう
風呂小路 ふろこうじ 
今道町 いまみちちょう

句誌「ほととぎす」同人 森田 昇