2017年7月発行
小浜市小松原川西区の西津漁港・小公園に
加納琢磨翁の立派な顕彰碑がある。
三メートル余の御影石の碑は
正面に加納琢磨翁之碑、
側面に海軍大将 名和又八郎書、
裏面に大正十三年十二月 西津漁業組合建之と書かれている。
碑の傍らの立札には、
加納琢磨翁、西津村漁業組合の発展のため、その基礎を固め、
その存在を不動のものにするため尽くされた人である。
西津村村長として、地方行政に尽力、漁業組合の組合長も兼務された。
明治四十五年西津村漁業組合の発展、漁民の生活向上のためには、
組合の基金が必要であると説かれ、基金積み立ての計画を制定し実行された。
当時問屋などに支払っていた歩合金を引き下げるように折衝し、
その金額を基金に積み立てていく方法をとった。
大正十二年基金の蓄積が、目標の一萬円以上となり、念願が果たされた。
組合員は漁業資金の借り入れが出来るようになり、数々の恩恵を受けた。
翁の功績とその徳を称え後世に伝えるため、
大正十三年頌徳碑を建立したと書かれている。
碑の周りの赤松、黒松、桜の大樹が影を落とし海からの風が心地よい。
周りの花壇はいつもよく手入れされ、
キララ・金魚草・オステオスペルマム等の花と葉の緑が鮮やかで
道行く人の眼と足を引き留め、素敵な雰囲気をかもしだしている。
西津漁業組合の方々のやさしい心と行き届いた手入れに花は季節を謳歌している。
右奥の巨石に刻まれた「鱗介群霊」の碑には
いつも季節の花が手向けられている。
若狭読書会 白石 惠子