ヒポクラテスの木

2015年10月発行

 平成二十五年五月に開園した、杉田玄白記念公立小浜病院の

中川淳庵顕彰薬草園のシンボルとして植えられた

ヒポクラテスの木(四十センチほどの幼木)は、

二年半を経過して、今では写真のように六メートル近くに成長しました。


 ヒポクラテスは、紀元前四世紀ギリシャ・コス島生れで、

「医学の父」と称され、医師のあるべき姿を示した

「ヒポクラテスの誓い」は、現代の医療倫理の根幹を成すもので、

世界中の西洋医学教育において、現代に至るまで語り継がれています。

 おおきく育った木の下にある銘板には、次のように記されています。

     ヒポクラテスの木

 プラタナス 和名スズカケノキ(ギリシャ・コス島より)

  医学の祖ヒポクラテス(BC四六〇~三七五頃)は コス島生れ、

このスズカケノ木の原木の下で弟子達に医学を教えたといわれ、

いつの頃からか、この木は「ヒポクラテスの木」と呼ばれています。

     ヒポクラテスの箴言(しんげん)

      ・生命はみじかい

      ・技術はながい

      ・機会は去りやすい

      ・経験はだまされやすい

      ・判断はむずかしい

 薬草の種類も今では九十に増え、

四季折々に美しく可憐に咲き誇り実を付け、

病院を訪れる人々の目を楽しませ心の癒しとなっています。

薬草園を訪れた時には、ぜひともヒポクラテスの箴言にも目を留めて下さい。

医師でなくても我々一般人にも通じる教訓がそこにあります。

杉田玄白記念公立小浜病院
園芸ボランティア・すみれの会 会員 網本 恒治郎