近代医学の先駆者、小浜藩医・杉田玄白は長生きの人でした。
玄白が『解体新書』を出版したのは、四二歳の時でしたが、
体が頑健とは言えなかったにもかかわらず、
その後、なんと八四歳まで生きているのです。
その玄白が一八〇一年、数え年で七〇歳(古希)になるのを前に、
健康を保つための七つの心得として記したのが『養生七不可』です。
この『養生七不可』を現代語訳でご紹介するとともに、
現代の視点で捉え直して、『養生七不可指南書、
杉田玄白に学ぶ長生きの秘訣』として出版しました。
これまで食に関する進歩的な研究で
「杉田玄白賞」を受賞された方々をはじめとして、
医学や薬学、栄養学などの分野から、
広く現代を生きるための知恵として、
「心」、「食」、「薬」、「性」、「運動」に、
現代的課題としての「高齢」を加えて、
六つのテーマで文章を寄せていただき、
気楽な読み物としてまとめました。
巻頭には玄白研究の第一人者、
歴史学者の片桐一男氏からの特別寄稿もいただきましたので、
古希の玄白先生の生活ぶりにも目を通していただき、
皆様の健康に役立てていただければ幸いです。
NP0法人杉田玄白・小浜プロジェクト
理事長 小西淳二