雲晴れてなべての古民家影を曳く丹波街道秋深みゆく
小浜市山手一丁目 川端 宏子
寸 評
上句雲晴れてなべての古民家影を曳くは、作者独自の捉え方とその表現で詠まれている。この旅行詠は上句で決まった。沁み沁みとして風情がある。
歌一首添へて届きし山菜煮に夕餉の話題は賑々として
小浜市山手一丁目 加納 暢子
寸評
贈られた山菜煮に歌が添えられてあった。夕餉の話題は山菜のこと、添えられていた歌のこと、山菜の味、下句の賑々としてで色々と想像力を逞しくする楽しい歌。
軽快にテープを切りたる我にこそ後期高齢呼ばはるなかれ
小浜市中井 古谷 義次
寸評
運動会の歌でしょうか軽やかにこころよいまでにテープを切った作者は観衆の拍手を浴びたことでしょう。年は重ねてもまだまだ元気な作者。下句に生き方につき強い決意のようなものが窺われて力強い歌となった。