若狭の正倉院

2016年6月発行

平成二十六年七月にリニューアルオープンした県立若狭歴史博物館。

その前身は、昭和五十七年十月に開館した若狭歴史民俗資料館で、

建物の外観は正倉院の校倉づくりに倣っています。

 歴史と文化の宝庫である若狭に、

「福井市にある県立博物館に匹敵するものを」との

当時の中川知事の思いが込められています。

しかし、県立の博物館は一県一館という規制のため、

その名称を使う事が出来ず、やむなく資料館となりました。

その後、規制緩和により各地の後発施設が、

博物館という名称で人気を博しているのを見るにつけ、

若狭人として言いようのない寂しさが募っていました。

 三十年という星霜を経て、西川知事の英断により、

長年の悲願が叶えられ胸のつかえがとれて、

まさに溜飲が下がる思いです。

平成二十七年、海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群

~御食国若狭と鯖街道~が「日本遺産」に認定されました。

これを機に、若狭の正倉院ともいうべき若狭歴史博物館は、

悠久の時を超え人々のロマンを駆り立てる、

観光交流拠点としての新たな役割が期待されています。

福井県立若狭歴史博物館友の会 会員 網本 恒治郎