2016年6月発行
鳥越山の中腹にそびえる白亜の建物。
県立大学小浜キャンパスは、「知の拠点」としてその存在感を示しています。
「小浜に大学を」とのスローガンで、官民挙げて誘致運動が始まったのは、
吹田市長の時からです。当初は私立大学に的を絞り込んでの取り組みでしたが、
資金的な面などから紆余曲折を経て、
県立大学誘致に落ち着きました。あれから二十数年が過ぎ、
小浜キャンパスは当初の学科から学部へと昇格し、
日本海側唯一の海洋生物資源の研究・開発と実践に役立つ人材の育成機関として、
地域への貢献は計り知れないものがあります。
我が国の人口減少に歯止めがかからず「地方消滅」の危機が叫ばれています。
本県は二十五年先には六十三万人程度に落ち込み、
同時に高齢化と少子化による社会の歪への対応が大きな課題となっており、
小浜市も避けて通れません。
こうした中、地域活性化の要は担い手育成であり、
小浜キャンパスは、地方創生のパートナー・産学官民連携の拠点として
かけがえのない宝物です。
この宝物を「これまで以上にどのように活かしていくか」の知恵と発想が、
求められています。地域間競争に生き残るためにも。
県立大学小浜キャンパスを育てる会会員 網本恒治郎