2015年4月発行
八重桜に惹かれて小浜郵便局前の小さな公園に入る。
公園の東西の入り口には、昭和五十六年まで小浜市民の誇りであった、
跳ね上げ橋の照明を支えた石造りの台座があり、
昭和三十年竣功、小浜橋、小浜漁港等の銘板がはめこまれている。
海を望む道路側に、千石船を頭上に飾った碑があり、
寛永の百間橋から昭和五十六年に除去された跳ね上げ橋までの、
この地と橋の歴史を簡潔に記した碑文がある。
碑文を読み、小さいながら千石船を眺めていると、
強い精神力と、大きな仕事を成し遂げる高い能力を持った
逞しい千石船の男たちや、橋の移り変わりなどが想像される。
公園の周りに植えられた桜などの柔らかい若葉、
やがてたくさんの花を咲かせて目をたのしませてくれる藤棚があり、
ときどき足を運んでみたい公園である。
白石 惠子