若狭の医療は若狭で完結します

これは、平成十一年(一九九九)福井県議会定例会において

「県立病院が立派に整備される一方で、

若狭地域の中核病院である小浜病院の高度医療化について、

どのように考えているのか」との質問に対する、

栗田幸雄知事(当時)の「若狭の人には心配を掛けない」との

強い決意が込められた答弁です。

小浜病院は、明治十六年(一八八三)一月、

県立小浜病院として開設されて以来、

幾多の変遷を経て公立小浜病院として、

へき地医療拠点病院の使命を担ってきました。

平成十五年(二〇〇三)から、県、国の支援を受けて始まった

高度医療施設整備事業により、ICU(集中治療室)の設置や

PET/MRI(がん早期発見画像装置)の導入、

救命救急センターが整備され、

二十四時間患者の受け入れ態勢が整い、

初期治療から高度特殊治療まで、

若狭地域住民の安心安全が確保されました。

 近年医療ニーズが多様化する中、

令和六年五月、泉下の客となられた栗田元知事の英断を、

改めて思い出します。

                      若狭の語り部:網本恒治郎