沈着勇断

現代の社会、覚悟のない人間(目的意識もなく身勝手な人)が多い。

人は育ってきた環境や職業、

歳を取るにつれて自分が生まれてきた意味を悟り生き方が定まって行く。

しかしながら、無責任・傲慢・我慢放埒・陰湿など、

人や社会が自ら律する事が出来ずにいる。

高齢者や若者を騙す詐欺事件や闇バイトなどが後を絶たず

醜悪な様相が目立つ世の中になって来た。

佐久間勉艦長は家族にこのような手記を残している。


「高潔の精神と清廉の行いをもって自ら任じ人生の義務を全うすべし。

自営自活は独立男子の本分なり、女子の本分なり、

寸毫も卑劣の依頼心を起す勿れ。」


  自分の信ずることを貫き、

どんな障害にも屈服しない艦長らしい言葉である。

しかし、現代においては時代錯誤の理想論と揶揄されるかもしれないが、

佐久間艦長や山本五十六連合艦隊司令長官のような

高潔な人の教えを良く知る事で、

人が社会に対する諦めやしらけの気持ちを脱して

希望や信頼を持とうと思えてくる。

艦長の沈着勇断な立ち振る舞いを手本としたい。

                                藤井山向陽寺 小住 百田知行