ヤマタノオロチ(八岐大蛇)

 今年の干支、巳年にちなみ「蛇」について。

日本では正邪さまざまな大蛇伝説があり、

太古より世界中で畏敬の念を抱かれた蛇。

とりわけ『日本書紀』や『古事記』の「ヤマタノオロチ」は有名です。

 須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲の国にさしかかると、

娘を大蛇(ヤマタノオロチ)に食べられたという老夫婦に出会います。

その難を免れ生き残ったもう一人の娘、稲田姫(いなだひめ) を守るため、

須佐之男命は家の外に強い酒を置いて大蛇を待ち構えます。

やがて現れた大蛇がそれを飲んで酔って寝込んだ隙に、

命(みこと)は大蛇を退治し、稲田姫と結ばれました。

 この神話を現代に伝える「石見神楽(いわみかぐら)」の舞台は、

火を噴き、のたうち回る大蛇が息をのむ大迫力で、

私は間近で見てとても感動しました。

現地の島根県はもとより、日本各地や世界でも公演されていますので、

ぜひともご覧ください。

                                    おおい町 海岸寺住職 石崎 靖宗