人から聞いた話です。
仏国寺の老師が、ポーランドで司教様と対談された時のこと。
「国際平和についてどうお考えですか?」と司教様がお尋ねになった。
「天地同根 万物一体なりーっ‼」と老師は大音声で
獅子吼なさったのだそうです。
大音声ゆえに、司教様も周りの方々もきっと驚かれたでしょう。
通訳の方は慌てて訳されたことでしょうが、「すべてひとつ」なんて、
頭ではすぐに理解してはもらえなかったのではないでしょうか?
なぜならそれは、
老師が厳しい修行の果てに初めて体現された世界でありましたから。
しかし私は、
この話をおとぎ話のような「おかしみ」を感じつつ聞いたのです。
「すべてひとつ」だともし分かれば、けんかから戦争に至るまで、
すべての争いは右手が左手を殴るようなもの。
ロシアがウクライナを殴り、イスラエルがガザを殴る。
そして殴り返した時、いったい誰が痛いのか?
みんなが揃って痛いんですよね、ひとつなんですから。
これさえ分かれば国際平和はたちどころに達成されるのだと確信し、
思わず喝破せずにはおられなかったのでしょう。
さあ皆様は信じられますか?
「ねがわくはこの真実を深く信じ 人々脚根下の一大事に目覚めんと
発願し歩みをすすめてまいりませう」(老師ご文章引用)
円通寺住職 小林玄宗
私は信じ、歩みをすすめてまいりたい。