陰暦の六月末(新暦では六月から八月初旬)にかけて、
全国各地の神社で「夏越しの祓い」という伝統神事が行われます。
茅で作られた大きな輪(茅の輪)をくぐって、
半年間の罪や穢れを祓い残り半年の無病息災を祈願し、
邪心を和ませます。
茅の輪の起源は、奈良時代の『備後国風土記』にある
蘇民将来の逸話にあります。
小浜でも南川の河口近くに鎮座する六月祓神社の社伝によると、
慶長九年(一六〇四)、古来から川で身をそそぐ
禊ぎ祓いの地であったこの地に、
「水無月の神が降りられた」という巫子の霊夢により
祭祀が始まり、祠が建てられました。
明治十三年(一八八〇)に社殿が造営され、
「六月祓神社」(氏子津島・多賀区)と命名され、
例祭の夏越祓(茅の輪くぐり)は、「かわそさん」として
多くの人に親しまれ、夏の風物詩となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大もようやく落ち着きを見せている中、
今年も七月二十二日(土)・二十三日(日)に行われます。
若狭の語り部 網本恒治郎