ツバメには三種類いることをご存知でしょうか。
【ツバメ】
家の玄関や軒下に巣を作る、
我々人間に一番近いツバメです。ヒトの出入りがあることで、
天敵のカラスなどから身を守っています。
額と、のどから胸が赤褐色で尾が長いのが特徴です。
最近数が激減して、都会では余り見られなくなっています。
【コシアカツバメ】
ツバメ同様、ヒトの出入りのある場所に巣を作りますが、
やや距離を置いて、学校校舎や道の駅の高い軒下などに筒状の巣を作ります。
腰の部分が鮮やかな橙色であるのが名の由来です。
福井県では準絶滅危惧種に指定されていますが、
若狭地方にはまだ毎年飛来してきます。
【イワツバメ】
小型のツバメで、海辺の岩場などに巣を作りますが、
最近ではコンクリート製の橋の下にも巣を作るようになりました。
腰が白く尾が短いずんぐりとした体が特徴です。
最も身近な渡り鳥であるツバメたちは、
フンが汚いと街中では嫌われ排除されることが多くなりました。
また最近の家は汚れが付きにくい壁が採用されており、
巣を作りにくくなっていることも数を減らしている一因だと言われています。
ツバメの子育てを見ていると
一日にどれだけ虫を運んでくるのかとその圧倒的な数に感心させられます。
実は、それだけ害虫駆除に役立っていることをご存知の方は少ないかもしれません。
数千キロの旅を経て毎年日本にやって来るツバメたち。
少し穏やかな気持ちで見守ってやりたいものだと思います。
日本野鳥の会福井県 会員 平城常雄