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文房四宝とよばれ大切にされた硯・筆・紙・墨。
中でも硯は幸福と長寿をもたらす「福寿」として最も重んじられ、
また賞玩の対象でもありました。
寛政九年(一七九七)に出された日本で初めての硯の図譜
『和漢硯譜』には、長州赤間石など三〇余りの日本産の硯石が挙げられていまが、
その中に「若州遠敷郡宮川谷紅梅石・・・御名鳳足赤石」とあります。
宮川地区新保の山あいで採れた硯石は、
その色合いから紫石とか紅梅石などと呼ばれていましたが、
朝廷から「鳳足」石硯と御銘が付されています。
日本産硯のなかでは唯一の御銘です。
それはこの『和漢硯譜』の巻頭を、
小浜藩主から賓師として遇された儒者(書家)西依成斎の書
「寿石永年」が飾っていることも関連しています。
小浜古文書の会 中島嘉文
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