七月と言えば京都祇園祭。
日本三大祭りの一つと数えられ、夏の風物詩でもあります。
そのルーツは、千年以上も前の平安時代中期にさかのぼります。
当時ひんぱんに起った天災や疫病のたたりを鎮めるために、
始ったとされています。
現代の疫病とも言えるコロナウイルスの感染拡大が止まりません。
今年の京都祇園祭は、昨年に引き続き山鉾巡行は中止となりました。
小浜廣嶺神社の祇園祭も、
京極氏が若狭の国主となった慶長年間から、
疫神のもたらす災厄を払いのける祭事として伝わります。
小浜でも神輿(祭神)の渡御はなく、
佐波近典宮司と上竹原、下竹原、府中の氏子により神事のみが行われ、
祭を楽しむことはできません。
いつもの年では、
祭の最終日に御旅所の八幡神社から
千種の森の廣嶺神社へ神輿が還御される時、
祭は最高潮に達し多くの見物人で賑わいます。
何百年もの間、町衆の心意気により連綿として受継がれ、
多くの人を魅了してきた祇園祭です。
疫病退散の願いはコロナ禍の今も昔も変わりません。
だからこそ、祭本来の意味を改めて考えてみたいものです。
若狭の語り部会長 網本恒治郎