ネ、ウシ、トラ、ウ・・・
今年の干支はネズミなので、ネズミの小話を。
お釈迦さまが危篤。その徳を慕って、
大勢の人のみならず、動物もこぞって駆けつけた。
昼寝をしていたネコは大勢の足音に驚いて目覚め、
通りかかったネズミに問う。
「一体何事だ?」
ネズミは答える。
「大したことはない。」
それを聞いたネコはまたひと眠り。
お釈迦さまを目指して走っていた動物たちの先頭はウシだったが、
ネズミは密かにウシの背中に乗っていた。
到着直前にネズミはウシから飛び降りて一番乗り。
だから干支は、ネ、ウシ・・・の順になったとか。
最後に遅れてやって来たネコは、
皆から「何やってるんだ。」とバカにされる。その恨みで、
今でもネコはネズミを追いかける。
涅槃図絵解き説法の一コマです。
海岸寺住職 石崎 靖宗