2011年9月発行
また彼岸の季節がやってきた。
彼岸といえば先祖供養。
今はほとんどの人が、病院で静かに息を引き取る。しかし薬や手術がなかった時代は、
盲腸も切って出せなかった。
のたうちまわって死んでいく人を、苦痛を伴う恐ろしい荒魂(アラミタマ)と呼んだ。
死後は荒れた魂が和らぎ、やがて和魂(ニギミタマ)になってもらうために鎮魂やご祈祷、
お祓いがされ、今の先祖供養につながっている。
それは人に限らない。
自然の和魂が食物などの恵みで、荒魂が今回の地震や津波。
この彼岸は、震災の犠牲になられた方をはじめ、天地万物のニギミタマを祈念したい。
(海岸寺住職 石崎靖宗)