秋元(旧姓 高井)麻巳子さん
’85年、高井麻巳子としてデビュー。3年間の活動後、作詞家の秋元康さんと結婚し引退。結婚後はエッセイなどを出版。
おニャン子クラブとして活動し、音楽プロデューサー秋元康さんの奥様である高井麻巳子さんは福井県小浜市の出身。井上耕養庵の名物である「若狭葛ようかん」や小浜の冬の味「丁稚ようかん」がお気に入りで、雑誌などでたびたびご紹介いただいています。
夏になると恋しくなる地元の名物・葛ようかん
私が生まれ育った福井県小浜市の隣町、上中町熊川は、葛の名産地。小浜の和菓子屋には必ずと言っていいほど葛を使ったお菓子があるんです。
『井上耕養庵』の「葛ようかん」は、夏の帰省の際必ず買うおみやげ。上品な甘さと独自のもっちり感は、甘いものが苦手な男性にも好評です。
井上耕養庵の葛ようかん(福井)
”リキがある”と称される、独自のもちもち感が特徴の熊川葛。その葛で固めたようかんは、ふるふるとしたなめらかな舌ざわりと上品な甘さがクセになるおいしさ。「食後のデザートに、とわが家の冷蔵庫にいつも冷やしてあります」。(LEE より転載)
若狭小浜・冬の風物詩「でっちようかん」
私が生まれた福井県の小浜市は海と山に囲まれた小さな田舎町である。映画館もデパートも流行りの店もない退屈な町だと、ずっと思っていた。
毎年10月の半ばくらいから、小浜じゅうのお菓子屋さんに、「でっちようかん」が並ぶ。水羊羹をさらに水で薄めたような「でっちようかん」は、冷蔵庫を使わず、小浜の寒気だけで冷やして固める冬の風物詩である。
子供の頃は、こんな「でっちようかん」より、もっときれいなケーキを食べたいと思っていたのだが、大人になって、東京できれいなケーキばかりを食べていると、無性に「でっちようかん」を食べたくなることがある。
水っぽくて、甘みの少ない「でっちようかん」は、口の中であっという間に溶けてしまうのだが、その”さっぱりした味”がいいのだ。
東京にはない小浜の味。
ここ数年、退屈だと思っていた町に年に何度も帰るようになった。