未来に伝えたい鳥浜貝塚と水月湖年縞

2018年3月発行

 若狭町鳥浜に所在する縄文時代の遺跡、鳥浜貝塚は、

一九六二~一九八六年にかけて発掘調査が行われました。

「縄文のタイムカプセル」と呼ばれ、

小学校六年生の社会科教科書に掲載されました。

この遺跡調査をきっかけにして、一九九一年にもう一つ、

新しい発見がありました。三方五湖最大の湖、

水月湖の湖底に眠る「年縞(ねんこう)」です。

 年縞は七万年に及ぶ「地質学的年代の世界標準」と呼ばれ、

こちらは中学校二年生の国語科教科書に掲載されています。


 若狭にとって、いや世界にとって重要な発掘・発見から

既に四半世紀以上の歳月が流れていますが、

両者が貴重な歴史・自然遺産であることには変わりません。

これらを未来に継承するため、若狭三方縄文博物館の隣に、

福井県年縞博物館が二〇一八年秋にオープンします。

両館による研究と展示を通じて、両者の普遍的な価値を、

年縞の縞模様のように積み重ねていきたいものです。 

若狭三方縄文博物館
学芸員 小島秀彰