2015年8月発行
今年もお盆が近づきました。
もともとお盆は、亡くなった親を思う心から始まったものです。
お釈迦様の十大弟子の一人で目連という方は、
お弟子のなかでも神通力第一と言われており、
また大変な母親思いで、
ある時死んだ母親を神通力で捜すと、
その母親は餓鬼道に堕ちて苦しんでいることが判明した。
それを救おうとお釈迦様に相談すると、
僧達の修行が終わる七月十五日の
「修行明けの夏安居の日に、大勢のお坊さんに施し物をして
母親の供養をしてあげなさい。」と教えられ、
その供養をしたのが始まりといわれています。
お盆の期間は、入りの日が十三日、明けの日が十六日で、
前日の十二日に仏壇を綺麗に掃除し、
お位牌をも拭きお花を取替えて「精霊棚」をつくります。
麻殻でしつらえた結界に新鮮な稲穂・ホオズキ・ミゾハギ・そうめん・アワ等を
つるします。仏壇の前には霊座と呼ばれる真菰のゴザを敷き、
位牌・三具足(右側には蝋燭立て、中央に香炉、左に花立)を配します。
お供え物には蓮の葉に数滴の「閼伽水」、麻殻で足とみなした
馬と牛を形どった物や季節の初物、故人の好物等を供えるというのが一般的です。
十四日には各家でお坊さんに棚経を戴き、
お盆明けの十五日か十六日には菩堤寺で「施餓鬼法要」が営まれ、
所によっては川や海に経木塔婆にお供え物を添えて
「精霊送り」をしてお盆行事を終えるのが一般的のようです。
円明寺住職 笹川真照