小浜ブルーの風に吹かれて

「ちりんちりん」 「からんころん」

蝉の声をかき消す澄んだハイトーン、

かち割り氷がグラスで溶けるような涼やかな音の調和が耳に心地いい。

目にも鮮やかなブルーの風鈴は日の光を受けて燦然さんぜんと輝き、

その透明感が境内を駆け抜ける風の熱を消し去ってくれる。

近年「最高気温ランキング」でその名を轟かすようになった小浜。

そんな中、参拝下さる方々の七難即滅しちなんそくめつを祈念し涼味をお届けしたいという思いから、

多田寺では夏季「小浜ブルー」の風鈴を境内に飾り

「多田寺風鈴詣り」を開催している。

小浜市在住のガラス作家、KEiS庵が創る小浜ブルーのガラスには、

市内沿岸の砂、若狭かきの貝殻、小浜よっぱらいサバの骨が使われている。

蘇洞門の景色が思わず目に浮かぶような深い青碧色。

その美しさに心奪われ小浜ブルーの風鈴をお迎えするようになった。

八月、多田寺の境内は蘇芳すおういろ百日紅さるすべりや黄赤の

のうぜんかずらが風鈴とともに境内を彩る。

ぜひ多田のお薬師さんに身体健全を祈りながら、

五感で暑涼を感じてみてほしい。小浜ブルーの風に吹かれて。 

                                                  多田寺 玉川弘子