2013年6月発行
あらこんなに良い処がと散策をしていると新しい発見がある。
食文化館を左に海岸道路を行くと公園に突き当たる。
岸壁側の道に沿って、車輪梅とトベラの植え込みが長く続き、光沢のある葉が陽の光を跳ね返している。
初めてきた四月初旬には桜並木が目を楽しませてくれた。今はドウダンツツジが、スズラン状の花をびっしり付け、
柔らかな細い葉が遠慮がちに花の間から顔を覗かせている。
八重桜・夾竹桃・玉柘植等多種類の樹木が植え込まれている。
ベンチの配置も良く考えられていて嬉しい。
細長い公園の真ん中近くに、自然石の巨大な鳥獣供養塔がある。
そこを通り過ぎ塩釜のほうに歩を運ぶと、長谷光城先生の「波一円を描く」と記した銘板のある堂々たる御影石のアートがある。
それを見ると蘇洞門に寄せる荒波の力強い風景が鮮明に蘇ってくる。
たまに犬を連れた人に出会うが、人影の少ない静かな公園である。
対岸の後瀬山とホテル街の眺望も美しい。
夕日を受けてきらきら光る海を見ながら、時の経つのを忘れる私の好きな公園である。
若狭読書会会員 白石惠子