若狭の水辺で越冬する水鳥たち

 若狭湾はリアス式海岸の特徴から変化に富んだ地形を有しています。

 そのため自然環境も多様性に富み、さまざまな動植物が見られます。

 水環境も豊かで、冬になると海や湖、

 川辺等にカモ類を主体とする様々な水鳥達が越冬にやって来ます。

 その大部分はマガモですが、よく見ると他の種類のカモも含まれ、

 その種数は十種以上に及びます。細かな分類は専門的になり、

 なかなか難しいのですが繁殖期に向けての雄の羽色は鮮やかで、

 比較的簡単に識別することができる種もあります。

 頭の色が茶色いカモを探してみるとホシハジロとヒドリガモがいます。

 その他には、背中が黒く腹が白くて頭に冠毛のついたキンクロハジロは

 特徴的で見分けやすいです。

 これらのカモ達は小浜湾の入り江や南川北川の河口などでも

 多数越冬していますのでよく見かけます。

 また、ラムサール条約に登録されている三方五湖は

 全国的にも有数の水鳥の飛来地として知られています。

 以前にも紹介したことがありますが、三方湖の湖畔にある

 『道の駅三方五湖』に隣接する建物の中に

 福井県里山里海湖研究所の観察棟があります。

 ここでは高倍率の望遠鏡を常備し、

 多くの水鳥達を間近に観察することが出来ます。

 繁殖期に向けて雌達に自分をアピールするために

 鮮やかな色彩に変化する雄の羽色は特徴的で見分け易いです。

 鳥の羽の色は構造色と呼ばれ、

 光の当たり具合によって鮮やかな色合いを放ちます。

 高性能望遠鏡で見る鳥たちの羽色には

 感動的な美しさがあります。是非味わってみてください。

              日本自然保護協会 自然観察指導員 高橋繁応