響きあう心

こだまとは『丸ごと受け入れること』です。

 かつて、私たちの周りにいてくれた大人たちは、こだましてくれた人たちでした。ころんで「痛い」といったと言ったとき、両親は「痛いね」と丸ごと受け入れて返してくれました。しかし今多くの大人たちがこだますることをしないで一方的に否定したり、励ま したりしていないでしょうか。

 かつて、大人たちは人の喜びや悲しみを自分のことのように悲しめる人達でした。「いいえ、誰でも」という詩の最後の言葉は、こだまし合うのは人と人だけではなくこの世界にある すべてのものがこだまし合い、響きあっているのだというメッセージなの ではないでしょうか。

若狭 法雲寺住職