第64回(令和2年春の部)入選作品

梅雨入りで心も身体も蒸し暑く考え事はみなまとまらない 

                                                                              若狭東高校 山田 結花

【寸 評】 じめ〱とした梅雨の時季は、いら〱として何をするにも落着きません。 就職、進学いずれにしても、じっくりと考えて進まなければならない大切な時です。力を出しきって頑張りましょう。


就職と進学に別れる私達次に会う時はもう大人だね               

                                                                                若狭東高校 藤原 彩華

【寸 評】  卒業後の友人達の進路に期待をしている作者の姿が浮かんできます。楽しい短歌ですね。


夏の夜蛙ゲコゲコさわぎをりお願いだから静かにねかせてね 

                                                                               若狭東高校 下野 みづき

【寸 評】 作者は蛙の声に励まされる時やにぎやかに一緒に唱ったりする時もあるのですね。でも今夜だけは静かにしていて欲しいのです。昨夜も遅くまで勉強していたので今夜はゆっくり熟睡したいのと訴える作者。作者のこの気持ちを察してね。


向こうから聞こえてくるのは君の声みんな静かに姿勢を正す           

                                                                                   若狭東高校 河原 祐司   

【寸 評】 三句に「君の声」とありますね。君は友人たちから信頼されているのでしょう。君のしっかりした口調が聞こえてきて、みんな静かになり姿勢を正した一瞬を詠まれたのですね。着眼点がとても素晴らしいです。


会いたいよその一言がいえなくて今日もひたるよホームシック

                         若狭東高校 猿渡 千月

【寸 評 心情がよく表れていてとてもよい短歌です。その一言がいえなくてというところに、自分の言いたいことがつまっています。


来年に私が家を出るからと今さら出来た家族のLINE

                         若狭東高校 寺本 玲

【寸 評 家族のLINEで焦点がしっかり決まっています。


受験生進学先が決まらないもっとJK楽しみたいなあ         

                        若狭東高校 川路 絵梨菜

【寸 評進学先が決まらないところで全体の心の内がしっかり短歌に表れています。


最近のいじめばかりの世の中に心痛める自殺のニュース

                        若狭東高校 瀬戸 唯菜

【寸 評】心痛める自殺のニュースの下の句が心のやさしさが表現されていてとても良い短歌です。


勉強をしたくないのはあたりまえ先生その気持ち分かってよ

                        若狭東高校 松原 優香

【寸 評】 下の句の先生その気持ちわかってよのところが心の叫びとなって短歌で表現したところ がすばらしい。


【 寸評 加納 暢子、 古谷 尚子