分水嶺の走る村

2016年4月発行

 松永川沿いの最後の集落、

池河内のバス停から林道が川沿いに続きます。

三キロ程で三番滝入り口です。

林道はさらに四キロ程で林道終点の尾根に到達します。

 尾根に立つと、近くは松永の各集落、

遠くには国富、県立大、小浜湾まで雄大な展望が開けます。

一面にゆずりの木、いわゆるワカバの木が群生しています。

終点に整備された階段を昇り、

尾根伝いに登っていくと敦賀から京都府まで

九十キロも連なる中央分水嶺=高島トレイル=に到達します。

 この尾根伝いは、かつて池河内越と呼ばれ、

若狭から朽木村麻生を経て都へとつながる道の一つでした。

途中に「池河内越」という看板がありますが、道は残っていません。

人の行き交いが途絶えて数十年、道は消えてしまいました。

道があったことすら忘れ去られて久しくなりますが、

右手に琵琶湖、左手に若狭湾を望む景観が人気を呼び、

池河内から分水嶺に登る人が増えてきました。

 三番滝から分水嶺に至る歴史街道を歩いてみませんか。

池河内 川畑哲夫